あなたは「リーダー」というものについて、どんなイメージを持っているでしょうか。
みんなを引っ張っていってくれる人?
困っているときに導いてくれる人?
メンバのモチベーションをアップさせてくれる人?
色々な考えがありますが、ここでは、プロジェクトマネジメント技術体系の一つであるP2Mをベースに説明をしていきます。
P2Mとは?
日本プロジェクトマネジメント協会で定義・研究されているプロジェクトマネジメント技術体系です。
国際的にはPMBOKがスタンダードですが、これに日本独自の強みを活かしてアレンジしたものになります。
端的に説明すると、PMBOKは「異なる文化背景をもつメンバ」が集まったプロジェクトの管理方法です。
一方で、P2Mは「日本文化のメンバ」で構成されたプロジェクトの管理が主になります。
日本文化にどんな強みがあるのか?
詳しく説明すると今回の主題から外れるため、よかったら考えてみてください^^
なお、今回の主題である「リーダーシップ」はP2Mの「プロジェクト組織マネジメント」に分類されます。
リーダーシップスキル
P2Mでは次のとおり、リーダーシップスキルを定めています。
たくさんありますが、こんなのがあるんだなーくらいに思っておいてください。
それよりも重要なのは、
「リーダーシップスキルの向上は生涯学習である」
「異なる文化や異なる業界においても通用するリーダーの行動の本質そのものが問題」
この2点です。
【参考:リーダーシップスキル】
- 明確なプロジェクトへのリーダーシップと方向づけ
- 問題解決支援
- 新しいメンバーをプロジェクトチームになじませる支援者となる
- 内部的な衝突を治める能力
- グループとしての決定を導く
- 公約を企画し、結果を引き出す能力
- 事象を明確に伝達できる能力
- プロジェクトチームの成果を上位のマネジメントにプレゼンテーションできる能力
- 技術的な決定事項を経済的側面、人的側面にも配慮して導ける能力
リーダーにならないなら「リーダーシップスキル」は要らない?
「リーダーを目指してないから、リーダーシップスキルの勉強なんて意味ないよ!」
そう思うのは早計です!
なぜなら、現在リーダーの役職にいる人のすべてが十分なリーダーシップスキルを持っているとは限らないからです。
そんなリーダーの下で働くとどうなるか。
ほとんどの場合は長時間労働になります。
残念ながら、リーダーの中には、現場上がりで専門の訓練を受けていない方も多くいます。
プログラミングならOJTで学ぶことができますが、リーダーについては教えてもらえない(というか教えられる人がいない?)ので、悪い意味でリーダーガチャの状態になっていることが多いです。
自分のガチャ運に自信があればよいですが、そうでないなら、自分を守るためにも「リーダーシップスキル」は身に付けておくことをオススメします。
リーダーシップの色々な研究
「リーダーシップ」については、世界中で多くの研究がされています。
本格的研究は1920年代から始まっていますが、その中での基本的なものを紹介します。
SL理論
1977年にハーシィ(P.Hersey)とブランチャード(K.H.Blanchard) が提唱したリーダーシップ条件適応理論の1つ。
「部下の成熟度によって有効なリーダーシップスタイルが異なる」という前提で、リーダーシップを「指示的行動」「援助(共労)的行動」の2つの軸で説明しています。
※図は作成中
- 指示的行動:大、援助的行動:小 ⇒ 指示型(指示出しまくり)
- 指示的行動:大、援助的行動:大 ⇒ コーチ型(説明したあとフォロー)
- 指示的行動:小、援助的行動:大 ⇒ 援助型(フォローメイン)
- 指示的行動:小、援助的行動:小 ⇒ 委任型(おまかせ!)
成熟するにつれて、下のリーダーシップが有効になります。
リーダーのあり方は十人十色
こちらはマネジメント理論で有名なドラッカーの思想です。
半世紀の間に彼が出会って、一緒に仕事をした非常に優秀なリーダーたちは色々だったそうです。
つまり、リーダーシップにただ1つの正解はないということ。
人によって得意不得意があるので、理想のリーダーを他人に求めてもガッカリすると思います^^;
【参考:優秀なリーダーたち】
- 自分のオフィスにこもりっぱなしの人もいれば、非常に社交的な人もいた。
- 好人物(それほど多くはなかったが)もいれば、堅物もいた。
- 考えるより先に行動する人もいれば、何度も何度も考え直して一向に結論を出さない人もいた。
- 温かい人柄ですぐに気の合う仲間になる人もいれば、いつまでもよそよそしい人もいた。
- 家族のことまで話してくれる人もいれば、目の前の仕事以外いっさい話さない人もいた。
- 仕事に悪影響を及ぼすわけではないのだが、鼻持ちならないほど自惚れの強い人もいれば、やはり仕事に差し障りはないのだが、極端に控えめな人もいた。
- まるで砂漠に住む世捨て人のように質素な私生活を送る人もいれば、派手で遊び好きで事あるごとに大騒ぎする人もいた。
- 聞き上手な人もいれば、一緒に仕事をした中で群を抜いて優秀ではあったが、自分の心の声にしか耳を傾けない人もいた。
まとめ
リーダーシップスキルは奥が深くゴールといえる明確なものはありません。
逆に、学び始めるのに、早すぎるということもありません。
一人の作業者として身をも守るために、今からでも学び始めてはいかがでしょうか。
(私は知識が体系化されているP2Mを推奨します!)