「手順通りに設定したのに繋がらない…」
システムエンジニアの仕事ではパソコンのセットアップが多いです。
アプリの設定も多く、手順通りに設定してもネットワークに接続できないケースがあります。
その原因の一つとして考えられるのが「ポートが使えない」というもの。
この記事では、「そもそもポートとは何?」という基本的なことから、確認方法と使えるようにする方法を解説します。
ちなみに、昔はシステムエンジニアといっても、ネットワークに関しては初心者レベルで大丈夫でした。新米システムエンジニア、しかも情報系の学校に通っていない方にとっては、覚えることが多くて大変ですね^^;
このサイトでは、別業種からIT業界を志した新米システムエンジニアを応援しています!
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この記事を読むとわかること
- ポート番号の基本的な役割とその重要性が理解できる
- Windowsでのポート番号確認や開放方法がわかる
- ポート番号に関するトラブルシューティングのポイントが学べる
パソコンのポート番号に関する基礎知識
ポート番号とは?
IPアドレスがパソコンのインターネット上における「住所」を指すものであるなら、ポート番号は「出入口」にあたります。
玄関、勝手口、避難口、窓(!?)など、家の出入口がたくさんあるのと同様、1つのパソコンへの出入口もたくさんあります。
出入口ごとに役割が決まっている点も同様です。
例えば、玄関は普段の出入り、勝手口は家族だけ、避難口は緊急の場合のみ、窓は空気や光だけが出入します。
(窓から人が入ってきたら怪しすぎる…)
付け加えると、最近のパソコンでは、基本的に戸締りもしてあります。
田舎の方では今でも家に鍵をかける習慣がないそうですが、パソコンは全世界につながってしまうため、都会の家と同じように鍵がかけてあります。
(昔はパソコンも鍵がかかってませんでした)
ポート番号の知識はどんな時に必要?
「通信先のパソコンにはつながるのに、アプリからつなごうとするとエラーになる」
「ポート番号」に関する知識が必要になるのは、通信関係でエラーとなってしまった時です。
- 使おうと思ったポート番号が他のアプリで使われている
- 使おうと思ったポート番号が空いていない(鍵がかかっている)
こういったケースが該当します。
最近はネットワークにつながるアプリが大半なので、発生する可能性も高くなっています。
特にシステムエンジニアが仕事で使うようなアプリの場合、「エラーメッセージが分かりづらい」「(ポート番号のことは)当たり前すぎて注意書きされていない」といったケースがほとんどです。
複雑な通信が絡むアプリを使う場合を考えて、ぜひ、本記事の内容を一読してみてください
パソコンのポート番号を確認する方法
今使われているポート番号を確認するには、コマンドの実行が必要です。
- スタートメニューの「Windowsシステムツール」から「コマンドプロンプト」を選択
- 「netstat -nao」を入力しENTERでコマンド実行
コマンドを実行すると、次のようなものがずらずら表示されます。
プロトコル ローカル アドレス 外部アドレス 状態 PID
TCP 0.0.0.0:135 pcname:0 LISTENING 1568
TCP 192.168.0.1:49413 20.198.119.84:https ESTABLISHED 4
UDP 0.0.0.0:5353 *:* 12484
…
この中の「ローカル アドレス」の「:」から右の数字がポート番号になります。
なお、確認したいポートだけ表示したい場合は、次のコマンドが便利です。
netstat -nao | find “:(ポート番号)”
例:80番ポートの存在を確認したいなら、netstat -nao | find “:80”
パソコンのポート番号を開放する方法
パソコンのポート番号を使えるように開放するには、大きく2つの方法があります。
前提として、一般的に使われているポート番号を説明してから、開放の方法を解説します。
一般的に使われているポート番号
以下が代表的なポート番号と、該当するアプリになります。
ポート番号(TCP) | プロトコル名 | プロトコル名(日本語) | 用途、使用アプリなど |
20 | FTP | ファイル転送プロトコル | ファイルサーバとのファイル送受信(専用アプリが一般的) |
22 | SSH | セキュアシェル | リモート接続でのコマンド情報送受信(専用アプリが一般的) |
25 | STMP | 簡易メール転送プロトコル | Outlookなどのメール送信 |
53 | DNS | ドメインネームシステム | IPアドレスではなくドメイン名で通信 |
80 | HTTP | ハイパーテキストトランスファープロトコル | ブラウザでのホームページ表示 |
110 | POP3 | ポストオフィスプロトコル | Outlookなどのメール受信 |
143 | IMAP | インターネットメッセージアクセスプロトコル | OutlookなどをWebメールと同期させる |
443 | HTTPS | HTTP セキュア | より安全なブラウザでのホームページ表示。クレジットカードなど利用するサイト |
基本的に、0~1023のポートは「Well Know Port」(よく知られているポート)と呼ばれ、AppleやMSNなどの大手企業が使用しています。
ポート番号の鍵を開ける方法
ポート番号の鍵は「ファイアウォール」や「ルータ」が掛けています。
ルータは外部のネットワークとパソコンをつなぐための機械です。
ポートの開放には、パソコンからルータ本体にログインして操作する必要があります。
それぞれの製品ごとにやり方が違うので、ここでは説明を省略します。
※基本的にはログイン後の設定欄に「ポート」の表示があるはずです
※ログイン方法が製品ごとに千差万別なので、説明書などを確認してください
パソコン側で行うのは「ファイアウォール」の設定になります。
マカフィーなどのセキュリティソフトがファイアウォール機能を持っている場合は、そちらが優先されますが、ここでは、Windows標準のファイアウォールで説明します。
- 「スタートメニュー」の設定(歯車マーク)を選択
- 「ネットワークとインターネット」を選択
- 画面右側の「Windowsファイアウォール」を選択
- 「詳細設定」を選択します。
※他のセキュリティソフトが入っている場合は、選択できません - 左側の「受信の規則」をクリック
- 右側の「新しい規則」をクリック
- 「ポート」オプションを選択
- プロトコル(TCPまたはUDP)を選択し、「特定のローカルポート」セクションにポート番号を追加
- 「接続を許可する」を選択し、「次へ」をクリック
- このルールが適用されるネットワークの種類を選択し、「次へ」をクリック
- ルールに名前と短い説明を追加し、「完了」をクリック
他のセキュリティソフトが入っている場合、それぞれのソフトで似たようなことができるので、確認してください。
他のアプリが使っているポート番号を開放する方法
基本方針は、使いたいポート番号を既に使っているアプリの停止です
- 「パソコンのポート番号を確認する方法」で、使いたいポートを既に使っているアプリのPIDを取得する
- 「タスクマネージャ」の「プロセス」タブのタイトル行(名前、CPUなどが並んでいる行」で右クリック
- 「PID」を選択
- 使いたいポートを既に使っているアプリのPIDと一致するアプリを右クリックし、「タスクの終了」を選択
タスクの終了で警告が出てしまい不安に思ったら、一度パソコンを再起動してみてください。
ポート番号を使用はランダムだったりするので、使いたいポート番号が空くかもしれません。
パソコンのポート番号確認における注意点
「ポートスキャン」という技術があります。
パソコンの空いているポート番号を、全て確認するというもので、専用のアプリも存在します。
「ポートスキャン」を外部のサイトに対して行ってしまうと、「不正アクセス防止法」違反になってしまう可能性があります。絶対にやらないでください!
一昔前、まだ「ポート番号」というものがあまり認知されていなかった頃、「ポートスキャン⇒空いてるポートにハッキング」という流れで多くの企業が被害を受けてしまいました。
例えるなら「空き巣が戸締りしていない入口を探している」行為です。
疑われないためにも、興味本位であってもやめておきましょう。
この記事のまとめ
- ポート番号とは、パソコンの「出入口」に相当する番号である
- ポート番号を確認・開放する方法が解説されている
- 通信エラーの際にポート番号の確認が役立つ
- Windowsでのコマンドプロンプトを使った確認方法が紹介されている
- よく使用されるポート番号とその用途も説明されている
- ファイアウォールやルータでのポート開放手順がある
- ポートスキャンの注意点についても言及されている
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