2022年6月24日、兵庫県尼崎市で、紛失していたUSBメモリが見つかったとの報道がありました。
USBメモリには、全市民46万人分の個人情報が入っていたとのことで、見つかって本当によかったです。
しかし、紛失していたUSBメモリが見つかることというのは非常に珍しいことで、長いことSEやってますが、正直、初めて聞きました。
(見つかったからニュースになったとか?隠蔽されているとしたら怖すぎますね-_-;)
最近はUSBメモリ自体が会社で禁止されていますが、スマホや会社貸与のノートパソコンでも同じことなので、紛失のリスクは変わらないか、在宅ワークが増えた分、より危険になっているという見方もできます。
個人情報保護法が施行された2005年から数年は、会社でもこうしたことに非常に力を入れていましたが、情勢が落ち着いてから入社した方の中には、あまりセキュリティ教育を受けたことがないという方もいるかもしれません。
これを機に、もう一度、気を引き締めておきましょう。
USBメモリを紛失したら、どうなるのか
「USBメモリを紛失したら、それまで順風満帆だった人生が破滅した」
という教育映像をさんざん見させられました。
「誇張のしすぎじゃないの?」
と言っていた人が、セキュリティ事故を起こしてしまって人生破滅、というバージョンもありました。
「個人には責任いかないんでしょ?」
と言っていた人が、セキュリティ事故を起こしてしまって(以下略)
何にせよ、会社、紛失した人、紛失された人と、全員に多大な悪影響があります。
この後で、1つずつ解説していきます。
なお、私が見た教育映像は、大手IT企業で制作・貸出をしていましたが、現在は貸出していないようです(協力会社向けなのかも)。
4作目くらいからは人生破滅エンドではなく、これから前向きに対策しようぜエンドになっていたので、刺激が強すぎたんですかね^^;
IPAで貸し出しているので、セキュリティ教育する場合は利用するのがよいと思います。
https://www.ipa.go.jp/security/keihatsu/disk/index.html
紛失した人への悪影響
次のような悪影響があります。
運がよかったり、会社が守ってくれたりすればある程度軽減されますが、基本的には逃れられないと思った方がよいです。
- 関係各社への謝罪
- 紛失したUSBの捜索(見つかるか、会社が諦めるまで継続)
- 針のむしろ(戦犯扱いです。これはメンタルがやられる…!)
- 懲戒免職(よくて降格、減給)
- 損害賠償(逃げられない!会社から被害者からとか)
- 転職時のマイナス(再びSE職に就くのは難しい)
- 家庭崩壊も…?
書いていて鬱になってきました-_-;
教育映像で見せられた内容だけなので、実際にはもっとあるのかもしれません。
(さすがに自宅に石を投げられることはないと思いたい)
紛失された人への悪影響
個人情報が悪用されることになります
- 不正にクレジットカードを使われる
- おかしなセールスが来るようになる
パッと見、お金に関するトラブルが一番怖いように思えますが、実際はどうなんでしょうか。
被害者の数が多すぎて、あまり報道されない気がします。
会社への悪影響
なくしたのが自分ではなく同僚だったとしても、逃れられません。
- 関係者への謝罪
- 関係者への補償(1人500円でも10万人いたら5,000万円です。一気に赤字転落します)
- 紛失したUSBの捜索(同僚のミスであっても、盆暮れ正月、クリスマス関係ありません)
- 社会的信用の失墜(あ~、あのセキュリティ事故を起こした~)
- 仕事の失注・出禁
一般社員としては、紛失したUSBの捜索と、仕事の失注・出禁がインパクト大きいでしょうか。
(赤字でボーナスが出なくなるのはすぐ分かるかと)
今回の事例では、紛失してしまったのは委託業者とのことでしたが、おそらく出禁になります。
それも、同じ委託業者のメンバ全員が出禁です。
私が実際に見た光景は、
- クリスマスから正月明けまで、社員総出でUSBの捜索
- 出禁になったメンバは全員、しばらく社内で待機
というものだけですが、ピリピリした空気が伝わってきてました。
USBメモリを紛失したら、どうすればよいのか
もしあなたが会社員で、USBメモリを紛失してしまったら、真っ先にするべきは上司への報告です。
これが遅れれば遅れるほど、人生破滅に近づく可能性が上がります。
被害が最小に抑えられれば、制裁も最小限になります。
実際、事故を絶対に起こさない人はいないので、会社としてもキチンと対策を練っています。
会社としては、一番困るのは隠されて被害が拡大することです。
自分を守りたいなら、、隠すより、むしろ、会社を巻き込んで早めに対応しましょう。
USBメモリを紛失する原因
USBメモリを紛失する原因は、次のものが多いです。
- USBメモリを持ったまま飲み会へ行く
- 電車で網棚に忘れる
- 電車で寝てしまう
- 客先に忘れてくる
今回の事例では、USBメモリを持ったまま飲み会へ行ってしまったようです。
その中でも、酔っぱらって寝てしまうのは最悪手です。
年末年始は特に多いらしく、会社でも毎年、気を付けるように通達が出るほどです。
あまりお酒を飲まない自分からすると信じられないことですが、どうにかならないものか…
USBメモリの紛失を防ぐ方法
「USBメモリを持ち歩かない」
「USBメモリを持ち歩いているときは、まっすぐ帰る」
これが基本です。
「紐などで首にかけておく」「パスワードをかけておく」という方法もありますが、結局は根本解決にならない+油断を誘うので、あまり過信しない方がよいです。
最近はインターネットで大量のデータを扱えるので、持ち歩く機会も減りました。
しかし、ノートパソコンを持ち歩いているのであれば要注意!
USBメモリよりも大きくて高価な分、今度は盗まれる危険があります。
「かばんを置いてちょっとトイレへ…」とかヤバイのでやめましょう。
やっぱり、持ち歩かないのが最強です!
まとめ
今回はUSBメモリがやり玉にあがりましたが、スマホやノートパソコンでも紛失したときのダメージは変わりません。
昔より危険になった現在、あらためて、気をつけましょう。
それでは、安心なパソコンライフを!