Slack 文字色を変えるだけで会話が変わる？ 若手エンジニアがつまずきやすい「伝達の壁」の越え方

Slackでのコミュニケーションに慣れていない若手エンジニアの中には、「どう書けば伝わるのか」「なぜ意図が正しく受け取られないのか」と悩む人が少なくありません。

特に、Slackでは「文字色が使えない」という特性から、情報を強調しづらいと感じる場面もあるでしょう。

しかし、Slackの仕様や公式ガイドラインを丁寧に読み解くと、文字色が使えない環境だからこそ磨けるスキルがあり、その積み重ねが“伝わるメッセージ”の基礎をつくることがわかります。

この記事では、Slack公式の情報を基に、若手エンジニアがつまずきやすい「伝達の壁」をどう越えていくかを整理していきます。

Slackで文字色が使えない理由

Slackには、文字色を変える機能がありません。

Slack公式ヘルプ Format your messages in Slack では、フォーマット方法の説明はあるものの 「色の変更」は掲載されていません。

さらに、Slack APIドキュメント Formatting message text によると、Slackが採用するmrkdwn の仕様自体に「色」の概念が存在しません。

これは、アクセシビリティとUIの一貫性を守り、誰が見ても同じ情報が同じ見た目で届くようにするための設計です。

Slackは「構造で伝えるツール」である

色を自由に使えない一方で、Slackは太字・コード・引用・リストなど「情報の意味づけ」に強いフォーマットを備えています。

色ではなく、構造が読み手の理解を助ける仕組みです。

若手エンジニアがSlackでつまずく理由

Slackは気軽に使えるだけに、送ったメッセージが読み飛ばされたり、誤解されたりすることがあります。

これは能力ではなく、書き方の習慣やフォーマットへの理解によるものです。

つまずきやすいメッセージの特徴

• 1行に情報を詰め込んでしまう
• 「結論・理由・依頼」の順が曖昧
• 読み手が状況を知らない前提で書けていない
• Slackの基本フォーマットを使いこなせていない

Slack公式ブログ Etiquette tips for working in Slack でも、「思いやりを持ったメッセージ設計」が推奨されています。

構造を整えて書くだけで、伝達の誤差は確実に小さくなります。

Slackで文字色の代わりになる要素

Slackで強調を行うためには、色ではなく「見た目の変化」や「情報の整理」を使います。

Slack公式ヘルプでは、次のフォーマットが推奨されています。

色を使わない強調方法（Slack公式）

• 太字：重要ポイントの強調
• コード：値や識別子など、誤読させたくない情報
• 引用：前提や補足の区切り
• 箇条書き：情報の整理と視線誘導

Slack公式ブログ Designing and formatting messages in Slack では、「情報の階層化」 と 「視線の流れ」 の重要性が示されています。

伝わるSlackメッセージの作り方（実例付き）

色がなくても、構造を整えるだけで伝わり方は大きく変わります。

以下に、改善前と改善後の例を示します。

改善前→改善後のメッセージ例

■改善前（読み飛ばされやすい）
「ログが取れていないので確認お願いします」

■改善後（構造化した例）
【結論】 本番サーバでログが出力されていません。
【理由】 /var/log/app.log が空です。
【依頼】 権限設定をご確認いただけますか？

色がなくても、情報の意味が整理されていれば伝わります。

Slackで「温度」を伝えるメッセージング

文章には、内容だけでなく「温度」があります。

Slack公式ブログ Etiquette tips for working in Slack でも、語調や一言の添え方がチーム文化を左右すると説明されています。

読み手の負担を減らすためのひと言

• 「急ぎではありません」
• 「背景を簡潔にまとめると……」
• 「お手すきの際にご確認ください」

小さなひと言が、読み手の心理的負担を軽くし、丁寧な印象を与えます。

【まとめ】Slackでは「配慮」と「構造」が最も伝わる

Slackに文字色はありません。

しかし、構造・フォーマット・温度の3つを意識すれば、色以上に伝わるメッセージが作れます。

これは特別なスキルではなく、今日から積み重ねられる習慣です。

読み手に寄り添い、情報を整理し、丁寧に届ける。

この積み重ねが、若手エンジニアのコミュニケーション力を確かなものにしていきます。

情報ソース・引用元

• Slack公式ヘルプ：Format your messages in Slack
• Slack API：Formatting message text
• Slack公式ブログ：Designing and formatting messages in Slack
• Slack公式ブログ：Etiquette tips for working in Slack

※本記事は、Slack公式ヘルプおよびAPIドキュメントを参照し、2025年11月時点の情報をもとに作成しています。Slackのアップデートにより、機能や画面仕様が変更される可能性があります。最新の内容はSlack公式ヘルプセンターをご確認ください。