この記事を読むとわかること
- Discordの画面共有や音声共有ができない原因と対処法
- Windowsでのステレオミキサー設定やSOUNDオプションの活用方法
- 共有できないアプリや仮想オーディオ導入時の注意点と対策
Discordでの画面共有はとても便利な機能ですが、「映像は映っているのに音が聞こえない」「そもそも画面共有が始まらない」といったトラブルに悩まされる人も少なくありません。
特にリモート会議やオンラインゲームの実況など、音と映像の両方が必要な場面では、共有トラブルは大きなストレスになります。
この記事では、Discordの画面共有で「音が出ない」「共有できない」といった問題の原因と解決策を、現役エンジニアの視点から整理してお伝えします。
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まず確認すべき基本設定:画面共有がうまくいかない時のチェックリスト
Discordで画面共有ができない、あるいは音が出ないとき、多くの場合は設定の初歩的な部分に問題があります。
実際に現場で若手メンバーが悩んでいた時も、よくよく見れば「設定を正しく選んでいないだけ」ということが珍しくありません。
まずはトラブルに直面したら、以下の基本設定を順番に見直してみてください。
「アプリケーションウィンドウ」での共有を選んでいるか?
Discordには「画面全体を共有」と「アプリケーションウィンドウを共有」の2つのモードがあります。
音声を含めて共有したい場合は、必ず「アプリケーションウィンドウ」モードを選んでください。
これを選ばずに「画面全体」を共有すると、パソコン内の音声が相手に届かない仕様になっています。
DiscordのUIは頻繁にアップデートされるため、共有時のウィンドウ選択が曖昧なまま進めてしまうこともあります。
「音声を含める(SOUND)」の設定をオンにしているか?
「アプリケーションウィンドウ」を選んでも、SOUND設定がオフになっていれば音声は共有されません。
これは共有直前のポップアップで選択する形式になっているため、見落とされがちです。
一度画面共有を停止し、再度立ち上げることで「音声を含める」オプションが表示されます。
マイクと出力先の設定に問題はないか?
音が届かない原因は、Discordの音声設定そのものにあることも。
「ユーザー設定」→「音声・ビデオ」で、入力デバイス・出力デバイスが正しい機器に設定されているかを確認しましょう。
ヘッドセットやマイクが無効化されている、あるいは音量がゼロになっている場合も多いです。
また、Windows側の「サウンド設定」やドライバ不具合も視野に入れて、ハードウェアとOSの設定も併せて確認するとよいでしょう。
音が出ない場合の追加対策:ステレオミキサーとオーディオ設定
基本設定を見直してもなお、音が出ない場合は、より技術的な設定に踏み込む必要があります。
特にWindows環境では「ステレオミキサー」という仕組みが鍵を握っていることがあります。
これはPC内部の音を仮想的に“マイク入力”として扱う機能で、音声共有の裏側を支える重要なポイントです。
Windowsでステレオミキサーを有効にする手順
ステレオミキサーは、PC内部の音を他アプリに渡すための仕組みです。
しかし最近のPCでは、デフォルトで無効化されていることも多く、自分で有効にする必要があります。
以下の手順で確認と設定を行ってみてください。
- タスクバーのスピーカーアイコンを右クリック →「サウンドの設定」
- 「録音」タブを開き、右クリックして「無効なデバイスの表示」をオン
- 「ステレオミキサー」が表示されれば、右クリックして「有効」に設定
表示されない場合は、使用しているPCやサウンドドライバが非対応の可能性もあります。
その場合は仮想オーディオソフトの導入(VB-Audio Cableなど)を検討してもよいでしょう。
Discordの「音声・ビデオ」設定を見直すポイント
ステレオミキサーを有効にしたら、次はDiscord側の設定です。
「ユーザー設定」→「音声・ビデオ」に進み、出力デバイスに「ステレオミキサー」を指定しましょう。
ここで入力デバイスの選択を間違えると音が通りませんので要注意です。
また、マイクのミュート解除や音量スライダーの調整も忘れずに確認してください。
この段階でようやく、アプリケーション共有+音声送信が安定して動作する環境が整います。
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アプリケーションによっては音声が共有されない?意外な落とし穴
Discordの画面共有機能は便利ですが、すべてのアプリケーションが対象とは限りません。
僕自身、何度か「設定は完璧なのに音が出ない」という問い合わせを受け、その原因がアプリケーションの仕様にあることもありました。
特定のアプリやゲームでは、Discordが音声を正しく取得できないケースがあるのです。
ゲームや動画プレイヤーが対象アプリに表示されない理由
画面共有を始めようとしたとき、対象のアプリケーションが選択肢に表示されないことがあります。
これは、そのアプリが「ハードウェアアクセラレーション」を利用して描画されている場合や、セキュリティ的に共有が制限されている場合があるからです。
たとえば、一部の動画再生ソフトや独自エンジンで作られたゲームでは、Discordが画面と音声のデータを正しく拾えないことがあります。
仮想オーディオデバイス導入の検討も視野に
どうしても音声が共有されないアプリを使う場合、仮想オーディオデバイスの導入が有効です。
たとえば「VB-Audio Cable」などのソフトを使えば、PC内の音声を仮想的に一つの入力デバイスにまとめて扱うことができます。
これにより、Discordに「音声入力」として渡すことが可能になります。
ただしこの方法は若干の知識が必要で、音声ルーティングの調整ミスによってノイズや遅延が起きることもあるため、自己責任での利用が前提になります。
技術に少しでも慣れている方であれば、選択肢として大いにアリです。
それでも解決しない場合に試すべきこと
ここまでの設定をすべて試しても、なお画面共有や音声送信がうまくいかない場合は、もう一歩踏み込んだ対応が必要です。
こうした状況は、ソフトウェアの競合や権限不足、ドライバーの不具合などが背景にあることもあります。
現場で何度か対応した経験から、最終的なチェックポイントをいくつか紹介します。
Discordを管理者として再起動する
Windows環境では、アプリに十分な権限がないと、画面や音声の取得がブロックされることがあります。
タスクバーのDiscordを右クリックし、「管理者として実行」を選んで再起動してみてください。
特に、ウイルス対策ソフトやOS側のセキュリティ機能が強めに設定されていると、正常に動作しない場合があります。
ドライバーやOS、アプリのアップデートを確認
音声や映像関連の問題は、古いドライバーや未更新のOSが原因であることも多いです。
以下の項目を一つずつチェックしてみてください。
- オーディオドライバーのバージョン確認と更新(Realtekやメーカー公式サイト)
- Windows Updateが最新かどうか
- Discord自体が最新バージョンか
特にDiscordは頻繁に更新が行われるため、古いバージョンのまま使っていると、最新機能に対応していないケースもあります。
最終手段としてのDiscord再インストール
ここまで試してもダメな場合、Discordアプリの設定ファイルに問題があることが疑われます。
完全にアンインストールしてから、最新のインストーラで再インストールすることで、不具合が解消されることがあります。
アンインストール時は、設定ファイルやキャッシュも削除するのがポイントです。
「C:\\Users\\ユーザー名\\AppData\\Roaming\\Discord」フォルダを削除することで、クリーンな状態から再構築できます。
再インストールは手間ですが、根本的な解決につながる手段のひとつです。
Discordの画面共有で音が出ない・共有できないときのまとめ
Discordで画面共有をしても「音が出ない」「そもそも共有できない」といったトラブルは少なくありません。
主な原因は、「アプリケーションウィンドウ」モードを選択していない、音声共有(SOUND)オプションがオフになっている、あるいは音声デバイスの設定ミスです。
Windowsではステレオミキサーの設定やドライバ更新も鍵になります。
特定のアプリでは音声が共有されないこともあり、仮想オーディオデバイスの導入も検討の余地があります。
それでも解決しない場合は、Discordの管理者実行や再インストールを試しましょう。
一つずつ確認すれば、必ず原因にたどり着けるはずです。
この記事のまとめ
- Discordの画面共有トラブルの基本対処を解説
- 「アプリケーションウィンドウ」とSOUND設定が重要
- ステレオミキサー活用で音声共有の幅が広がる
- 一部アプリでは共有不可、仮想デバイス導入も検討
- 最終手段は管理者実行や再インストール
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