「新しいことを学びたい!」
「でも、どこから手をつけたらいいのか…」
私たちは義務教育、高等教育で10年以上も勉強し、様々なスキルを習得してきました。
しかし、学校を卒業してから、いざ自分で新しいスキルを習得しようとするとしたとき、「何から始めればいいんだろう?」と立ち止まってしまう人もいます。
この記事は、そんなあなたに向けて書かれています。
まずは次の項目だけでもご確認ください。
(後半はさらに深く知りたい方のためのものです)
(さらに時間がない方は、1だけでも大丈夫です!)
【基礎知識】
【追加】
1:スキルを習得するまでの3つの段階
一般的に、スキルを習得するまでには、次の3つの段階があることが知られています。
学校の先生や塾の講師といった教育を専門とする方々も、これらを意識して講義や演習問題の作成をしています。
(余談ですが、塾の講師は厳しい競争社会のようで、このことを最初に説明してくださる方もいました)
1.1:「知っている」段階
何はともあれ「知識」がなければ始まりません。
レシピを知らないと料理が作れないように。
プログラム言語にどんな命令があるか知らないとプログラムが作れないように。
知識は大前提となります。
さらにいえば「部分的な知識」より「体系的な知識」の方が望ましいです。
料理に例えれば
「ささがきのやり方」が「部分的な知識」、
「材料の切り方による料理への影響」が「体系的な知識」
になります。
目の前の問題をすぐに解決するには「部分的な知識」で可能ですが、複雑な問題や未知の問題に対応するには「体系的な知識」が必須となります。
ただし、世の中には特に勉強している様子はないのにサクサク問題を解決していく人というのが存在します。
そういった「才能やセンスがある人」を参考にするのはオススメしません^^;
彼ら彼女らは、見よう見まねや、自分の中の思考能力だけで、勉強した人と同じかそれ以上のことができてしまいます。
「体系的な知識」とは、才能のある人と同じことが凡人でもできるように、彼ら彼女らが無意識にやっていたことを言語化し、分析し、まとめたものだと理解しておいてください。
(参考)
「そんなこと分かってるけど上手くいかないんだよ!」という方は、次の内容をご参考ください、
スキル習得に挫折してしまうあなたへ
1.2:意識すれば「できる」段階
ここから実践になります。
しかし最初は「意識すればなんとかできる」段階です。
料理に例えると、レシピを教わったのが「知っている」段階で、レシピに沿って料理を作るのがこの段階になります。
初めのうちは、教わったレシピを見ながら一つ一つの作業をしていくことになることでしょう。
慣れてきたら、レシピを見なくとも、記憶を頼りに料理を作れるようになります。
この段階で「スキルを習得した」と言いたくなりますし、実際に外部からはそう見えます。
ただ実態は「スキル発動に負担がかかっている」状態なので、長続きさせるのが難しいです。
その上、ここで止めてしまうと時間経過で忘れてしまうというので注意が必要です
「スキルを習得した」というには、やはり次の段階に進みたいところです。
1.3:意識しなくとも「やっている」段階
この段階になってようやく「スキルを習得した」といえるようになります。
「やっている」段階では、スキルが常時発動している、または、スキルの発動に負荷がかからない状態です。
そのため、持続時間もさることながら、集中力に余裕ができることで質も相当に向上しています。
2:実業務から見たスキルの習得段階「守破離」
「守破離」という言葉をご存じでしょうか?
一般的に言われているスキルの習得段階を示す言葉ですが、前項「1:スキルを習得するまでの3つの段階」とは少し観点が異なるため、こちらで説明します。
2.1:スキルの習得段階「守」
教わったことをそのまま「守」って真似する段階です。
料理に例えると「レシピのとおりに作る」ということになります。
この段階では多くの場合、レシピのそれぞれの工程の意味を考えたり、アレンジを加えたりはしません。
まさに「マニュアルどおり」の作業になります。
これ、カンタンそうに見えて、実はけっこう難しいです。
特に思考するタイプの人にとっては、反発心や猜疑心が沸き起こります。
私の例を挙げると、自動車教習所で運転中に、教官から突然「ハンドルを離して」と言われました。
「運転中にハンドルを離したらまずいんじゃ?」と思って、すぐには離せずにいたら怒られました^^;
(教官が運転を代わるから、ハンドルから手を離してほしいという意味でした。そう言ってよ…)
このように、情報や経験の不足により「言われた通り、素直に行動する」のが難しいことがあります。
2.2:スキルの習得段階「破」
教わったことを「破」る段階です。
料理に例えると「レシピと違う作りかた」いわゆる「アレンジ」が入ります。
初心者のうちはマニュアルどおりやっていても、何度か同じことをやっているうちに、もっと効率の良いやり方や、実は要らなかった作業というのが見えてくるようになります。
そうして、マニュアルよりも洗練された作業ができるようになります。
ただし、マニュアルの中には一見すると無駄に見えるが、絶対に省略してはいけない作業というのが入っていることがあります。
理解が浅いうちに「破」の段階に進むと思わぬトラブルになることがあるので心に留めておいてください。
2.3:スキルの習得段階「離」
教わったことから「離」れる段階です。
料理に例えると「新たなレシピを作る」レベルであり、ある意味、新しい流派を創設するということでもあります。
なお、必ずこの段階に進まなければならないといことではありません。
現実的には「破」の段階で十分ということが多いと思います。
(一人一流派なんてしてたら、チーム内の統一が取れず効率も悪いので^^;)
3:スキルを習得するための原理原則
実際にスキルを習得するためにはどうすればよいのか。
その原理原則を説明します。
なお、下記で共通です。
・1:スキルを習得するまでの3つの段階
・2:実業務から見たスキルの習得段階「守破離」
原理原則:スキル習得には実際に使うことが必要
スキル習得までの割合は、以下のとおりといわれています。
- 10%:座学
- 20%:講義(セミナー)
- 70%:実践
座学では、10%までしか習得できない。
講義(セミナー)では、+20%までしか習得できない。
という意味になります。
上記のとおり、スキル習得を100%にするには、実際に使わないと達成できないということです。
ただし、やみくもに実践すればよいというわけではなく、伸びしろを考えれば、座学から始めるのが良いでしょう。
原理原則:スキル習得には継続して反復することが必要
人間は忘れる生き物です。
一時記憶(ランダムな数字の羅列を覚えるところ)は数秒~数分、
中期記憶(一夜漬けの勉強内容を覚えるところ)で1週間程度で忘れてしまうと言われています。
中期記憶であっても、復習を怠れば、1日で70%ほど忘れてしまうそうです。
(細かい数字はうろ覚え。復習を怠ったので雰囲気しか覚えてないです^^;)
スキル習得=長期記憶への保存であるため、忘れないように、毎日毎日、何度も何度も反復する必要があります。
ちなみに「毎日」というのが非常に重要で、10分でも20分でも復習したほうが定着率が良いそうです。
毎日通っているお店の店員さんの顔って、意識せずとも覚えてしまいませんか?
スキル習得に挫折してしまうあなたへ
人生で一度もスキル習得に挫折したことがないという人は、おそらくいません。
なぜ挫折してしまうのか、どうやったら挫折せずに済むのか。
非常に深く困難なテーマで、数多くの研究がされています。
本気で説明を始めると、これだけで何記事にもわたることになってしまうので、ここではいくつか代表的なものを紹介します。
スキル習得に必要なもの
スキル習得に必要なのは、ズバリ「継続」です。
意外性がなくてガッカリしたかもしれませんが、結局はコレにつきます。
スキルを学び使い続けることで、スキルに関する理解が深まっていきます。
そして、スキルを継続的に使い続けることで、そのスキルはより磨かれていきます。
継続の力は計り知れません。
短期間での急成長よりも、長期間にわたる積み重ねが真の成果を生むことが多いのです。
しかし、継続することは容易ではありません。
多くの人が途中で挫折する原因となるのは、継続することの難しさから来ています。
その中で成功している人々の共通点は、継続することの重要性を深く理解し、対策をしているからです。
挫折を乗り越える方法
原則として「継続させること」が挫折を乗り越えることになります。
これを解決するために、多くの研究がされています。
本当に語りだしたらキリがないため、代表的な3つだけを紹介します。
- 小さな成功体験を積む
- 段階的な目標を立てる
- 他の人と話す
人は「自分にはできそうにない」ことは諦めてしまいます。
一人でアマゾン並みのWebサイトを作りたい!と思っても、先が遠すぎて現実味が薄いと思いますが、1つの入力項目と1つの画像を表示するWebサイトを作る、くらいならできそうではないでしょうか。
まずは小さな成功から始めましょう。
小さな成功だけでは、本来のゴールまで遠すぎて、やる価値が見いだせなくなるかもしれません。
いま行っていることがゴールまでどういう位置づけなのか、ちゃんと道がつなげておきましょう。
一人だけでやっていると、やめるのも自由です。
人間は「低きに流れる」(=楽な方に流される)傾向があるので、つらい時期にはやめてしまうかもしれません。
(というか忙しい社会人は少なくとも3か月以内にはつらい時期が来ます-_-;)
他の人に話しておくと「やめようかな」と思ったときの枷になります。
また、時には協力してもらえるかもしれません。
もっと心理学的なことや生物学的なこと、深いノウハウなどありますが、まずはこの3つだけでも、心の片隅に留めておいてください。
まとめ
スキル習得のために何から始めればよいか、迷っているあなたへ向けて色々と書いてきました。
何はともあれ、まずは「知ること」から始めてください。
多忙な社会人はゆっくり文章を読む時間を捻出するのも大変です。
時間がないのであれば、下記だけでも大丈夫です。